金沢工業大学 佐野渉二研究室 since 2017

Kanazawa Institute of Technology, Sano Lab. since 2017


ウェアラブルコンピューティングシステム

スマートフォンの普及と同様に,HMD(Head Mounted display)に代表される装着型デバイスが普及すると, 新たなコンピュータの使い方が求められます. そこで,コンピュータの操作方法,装着型デバイスを用いたシステムの応用など, コンピュータ利用の可能性を広げる研究を行います.

研究例

BGM 切り替えによるウェアラブル集中状態制御支援システム


研究の概要:
活動を長時間集中して行うことを目的として,BGM 切り替えによるウェアラブル集中状態制御支援システムを提案します.集中力を測定しながら集中力を上げ,下げさせるときに,BGM を切り替えます.

対外発表:
山田望都,依田真明,佐野渉二: BGM 切り替えによるウェアラブル集中状態制御支援システム, 平成30年度北陸地区学生による研究発表会,No.3-2-2,p. 1 (2019年3月)











ユーザインタフェース

ユーザインターフェースとして,キーボード,マウスやタッチパネルなどがありますが, コンピュータを装着するウェアラブルコンピューティング,コンピュータの存在を意識しないユビキタスコンピューティングにおいては,異なるユーザインタフェースが求められます. そこで,ウェアラブル・ユビキタスコンピューティングシステムを想定した新たなユーザインターフェースを生み出すための研究を行います.

研究例

ジェスチャ操作によるプレゼンテーションスライド編集システム


研究の概要:
プレゼン中に誤字を見つけることはよくあることで,プレゼン中に聴衆にバレずにスライドの間違いを修正することを目的として,ジェスチャ操作により手癖にまぎれてプレゼンスライドを編集するシステムを提案します.ジェスチャ操作の組み合わせにより, 編集する文字を指定し,五十音で文字を編集できます.

対外発表:
大家広己,佐野渉二:ジェスチャ操作を用いたリアルタイムなプレゼンテーションスライド編集システム, 平成30年度北陸地区学生による研究発表会,No.3-2-5,p.1 (2019年3月)

指の数に応じたモードによる片手ジェスチャ文字入力システム


研究の概要:
かばんや傘を持っていたり,ペンを持っているときなどで指を使うが,使用していない指で文字入力を行うために, 指の数に応じたモードでジェスチャによるフレーズ入力システムを提案します. Leap Motion を用いて指の動きを認識し,2本指モードと 5本指モードのジェスチャでフレーズ入力を行得ます.

対外発表:
尾関祐紀,佐野渉二:指の数に応じたモードで利用する片手ジェスチャフレーズ入力システム, 2023年度電気・情報関係学会北陸支部連合大会,No.EF04-5,p.122 (2023年9月)

動作認識活用

Webカメラや加速度センサ,モーションキャプチャセンサを用いて,我々の動作・行動を認識することができてきています. そこで,新しい動作認識手法や動作認識を用いて我々の活動を支援するための研究を行います.

研究例

BGM 推薦のための物体検出と周辺音量に基づく活動推定手法


研究の概要:
BGM を聞きながら活動する際に,活動に合わせた BGM を推薦することを目的として, 活動しているときに見えるモノ、周辺音量から活動を推定する手法を提案します. モノから活動している場所を推定し,周辺音量からその場所で行われている活動を推定します.

対外発表:
澤口尚仁,佐野渉二:BGM 推薦のための物体検出と周辺音量に基づく活動推定手法, 2023年度電気・情報関係学会北陸支部連合大会,No.EF04-4,p.121 (2023年9月)

無意識的事前学習を利用した手話学習支援システム


研究の概要:
手話を学習していると思わせないで,手話を学習させる手話学習支援システムを提案します. 提案システムでは,Kinect を用いて,手話の動きをしたことを認識し,それとなくその意味を伝えることを繰り返し, 時間はかかるが、自然に手話でわかるものができることを目指します.

対外発表:
渡辺雄大,佐野渉二,中沢実:手話習得のための動作認識に基づく事前学習システムの開発, 情報処理学会マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム(DICOMO 2021)論文集, Vol.2021,pp.805-812 (2021年6月)

生体情報活用

我々の活動状況や効果には,心拍数、集中度などの生体情報が関わってくるものもあります. そこで,市販のセンサでは取得することが出来ない生体情報を推定したり,生体情報を用いて活動を支援するための研究を行います.

研究例

心拍と加速度のデータを用いて心拍異変とその原因推定システム


研究の概要:
健康状態に異変が起きたときに家族や友人に通知することを目的とします. 健康状態に異変が起きたことだけ知らされても適切に対応することが難しいため, 健康状態の異変に加え,異変が起きたときの活動を合わせて通知するシステムを提案します. 提案システムを用いることで健康状態の異変に対して適切に対処できるようになることを期待します.

対外発表:
島田悠司,佐野渉二:心拍データと加速度データを用いた心拍異変とその原因を検知する健康管理システムの構築,平成29年度北陸地区学生による研究発表会,No.E-4-5,p.69 (2018年3月)

視線および頭部の動きを用いた忙閑度推定システム


研究の概要:
日々,忙しく活動している人は多くいますが,その忙しさ(忙閑度)を推定するシステムを提案します. 仮説として,視線運動が少なくかつ頭の動きが少ないとき,忙しい(頭を使っている)を設け, 眼電位センサ,加速度センサ,角速度センサを用いて,視線運動,頭の動きを測定し,忙閑度を推定します.

対外発表:
外山侑志,宮入瞭太,佐野渉二:視線情報と頭部動作に基づく忙閑度推定システム, 平成30年度北陸地区学生による研究発表会,No.3-2-3,p.1 (2019年3月)

バーチャル空間活用

我々が活動するリアル空間では,実際のモノの制約のために,場所やコストの制約のため,モノを設置したり変えることが容易でなかったりします. そこで,物理的制約が少なくなるバーチャル空間を用いて,リアル空間における我々の活動を支援するための研究を行います.

研究例

実空間とバーチャル空間でのシームレスな活動の移行


研究の概要:
実空間で行った活動の続きをバーチャル空間で,あるいは,その逆のことが行えるシステムを構築することを目的とします. そのシステム構築の前に,実空間での活動とバーチャル空間での活動の特性を把握するために, スケッチとダーツを対象に,実空間とバーチャル空間で行ったときの違いを確認しました.

対外発表:
片桐優希,佐野渉二:実空間とVR空間でのシームレスな作業移行実現に向けた評価, ユビキタスウェアラブルワークショップ2018,p.35 (2018年12月)





習熟度に応じて提示内容が変わるAR学習支援システム


研究の概要:
学習していてわからないことがあったときに,わからない箇所をスマホでかざすと, AR 上でわからないことの説明やヒントが表示されるシステムを提案します. 習熟度が低い人には詳しい説明,習熟度が高い人には,さっと思い出せるように,簡単な説明を行うなど, 習熟度に合わせた情報提示を行います.

対外発表:
竹中優太,佐野渉二:習熟度に応じて助言内容が変わるARを用いたプログラミング学習支援システム, ユビキタスウェアラブルワークショップ2019,p.57 (2019年12月

伊藤雄河,佐野渉二:電子回路演習において工程に応じた助言を行う情報提示システムのための工程判別手法, 2022年度電気・情報関係学会北陸支部連合大会,No.F1-10,p.1 (2022年9月)

ユビキタスコンピューティングシステム

マイコンは小型でいろいろな場所に設置できますが,スペックが低いため低スペックを補うために多くのマイコンを連携して用います. 新しいマイコンの制御手法,効率的なセンサ処理手法などを探求することにより, 遍在する超小型コンピュータにより,我々の意識することなしに支援を受けるユビキタスコンピューティング環境の実現させるための研究を行います.

研究例

ルール処理マイコンのためのルール連鎖関係の検出


研究の概要:
ルール処理を用いることでマイコンへの動的な処理の変更を行えますが, 意図しないルールの連鎖により意図しない動作が起こることがあります. これを防ぐために,ルール連鎖が起こりうる入力デバイス、出力デバイスを抽出することを目的とします. Support Vector Machine (SVM)を用いて,出力デバイスに影響を受けるセンサを推定しました.

対外発表:
衣川蓮哉,佐野渉二:ルール処理マイコンのためのルール連鎖関係検出に関する一考察, ユビキタスウェアラブルワークショップ2018,p.36 (2018年12月)





動きに合わせて動作を切り替えるユビキタスデバイス


研究の概要:
取り付けられたモノの状況に合わせて動作を変えるユビキタスデバイスを提案します. ヒトに取り付けた例として,ヒトの動きに合わせて動作を変えるユビキタスデバイスを開発しました. 開発したデバイスでは,歩行中は,夜間での歩行を想定し,LEDを点滅させて知らせ, 走行中は,テンポを維持するために,一定間隔でブザーを鳴らすことを行います.

対外発表:
松下大晃,佐野渉二:取り付けるモノに応じて動作が変わるデバイス Chameleon のための動作切り換え手法の検討, ユビキタスウェアラブルワークショップ2016,p.18 (2016年12月)

松下大晃,佐野渉二:動きに合わせて動作を切り換える小型デバイスの設計と実装, 平成29年度北陸地区学生による研究発表会,No.E-4-1,p.65 (2018年3月)

公共交通システム

道路上を走る公共交通としては,定時定路線で乗り合うが低料金であるバスと,ドアツードアで(予約して)いつでも1人(1組)で乗れるため目的地まで直接向かうが料金が高めのタクシーがあり,これらの特徴を考慮して我々は利用していますが,一長一短です. そこで,ドアツードアでいつでも乗れるが乗り合うことで料金を抑えるというバスとタクシーの間の公共交通サービスである SAVS(Smart Access Vehicle Service)を実現していますが,SAVS において効率よく運行するための研究を行います.

研究例

Smart Access Vehicle Service (SAVS)の開発


研究の概要:
ドアツードアで移動できるが乗り合いを許容することで, 料金を抑えられるバスとタクシーの間のような公共交通システムである Smart Access Vehicle Service (SAVS)を提案します. 乗客は,乗りたいときにスマホを用いて配車リクエスト(乗車位置、降車位置などの入力)を行い, マルチエージェントシミュレーションにより乗客を乗せる車両を決定します. 運転手は,タブレットに指示された順序で運転します.

対外発表:
中島秀之,小柴等,佐野渉二,落合純一,白石陽,平田圭二,野田五十樹,松原仁: Smart Access Vehicle System:フルデマンド型公共交通配車システムの実装と評価, 情報処理学会論文誌,Vol.57,No.4,pp.1290-1302 (2016年4月)

佐野渉二:研究成果を社会実装する際のジレンマに関する一考察, ユビキタスウェアラブルワークショップ2019,p.31 (2019年12月)

SAVS のためのサービス連携プラットフォームの構築


研究の概要:
Smart Access Vehicle Service (SAVS)を用いたサービス連携を行うためのプラットフォームとして, Unified Mobility Platform (UMP)を提案します. 提案プラットフォームを用いることで,車輌の管理,運用と移動サービスを分離し,車輌を移動サービスにおける共通のインフラとして位置づけ,サービス連携 API を用いて,他のさまざまなサービスと連携できるようにします.

対外発表:
佐野渉二,落合純一,平田圭二,鈴木恵二,野田五十樹,中島秀之: デマンド応答型公共交通を用いたサービス連携プラットフォーム構築に向けて, 情報処理学会研究報告(高度交通システムとスマートコミュニティ研究会 (ITS-66)), Vol.2016-ITS-66,No.13,pp.1-8 (2016年9月)